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需要が高まる「学童保育スタッフ」の仕事とは

「待機児童」の問題について、保育園や保育士の不足のことが大きく取り上げられていますが、実は小学生の放課後預かりサービス「学童保育」でも同じような現象が起こっています。厚生労働省によると、2015年5月の時点で「学童保育」待機児童数は約17000人(申し込んで入所できなかった人数)。潜在的待機児童数は数十万人にも上ると言われています。この状況についても保育園同様、施設の拡充や環境の整備、そしてそこで子どもたちの見守りをする「学童保育スタッフ」の人材確保が大きな課題となっているのです。
そこで、今回は需要が高まっている「学童保育スタッフ」について、その仕事内容や新しい制度などについてまとめていきます。

学童保育とは?

学童保育は、放課後もしくは休日、長期休暇中に、仕事などで日中両親が家にいない家庭の小学生を預かる保育サービスのことです。「学童クラブ」、「放課後(児童)クラブ」という名称のところもあります。「子ども・子育て支援新制度」(子ども・子育て関連3法)により、2015年4月からその対象が1~6年生になりましたが、入所希望の多い地域では、依然として小学1~3年生が優先的に預けられています。場所は学校内の空き教室や専用施設、または学校付近の児童館など。学童保育スタッフによる点呼、体調等の確認の後、おやつを食べ宿題を片付け、その後はスポーツをしたり読書をしたりと基本的には個々の自由時間として過ごします。スタッフが主導してイベントを開催することもあります。
学童保育スタッフ、働き方は様々
学童保育施設の運営形態は、大きく分けて公設公営・公設民営・民設民営の3タイプ。
最近では、公設民営と民設民営が増えてきています。公設民営、民設民営の学童スタッフとして働く場合、運営する企業と雇用契約を結ぶことになります。雇用形態は正社員、契約社員、パートなど様々。
求められる経験や資格も企業によって違いますが、教員免許や保育士、保健福祉士などの資格を生かせるところが多いようです(特に資格は必要がなくても働けるという所も多数あります)。
また、2015年度に創設された「放課後児童指導員」という新しい資格にも注目です(詳細は後述)。

◆ 仕事内容

・子どもの確認、見守り
・宿題(学習)サポート
・イベントの企画、実施
・父母会の運営・事務処理・保護者対応 など

学童保育スタッフの仕事、大切なことは?

最も重視したい業務はやはり子どもたちの見守りです。
安全な状態で遊べているのか、常に全体に目を配りながら子どもたちと接する必要があります。
その点は保育園での保育士の仕事とよく似ていますが、相手は小学生。身の回りのこと、感情のコントロールなど大人の手を借りなくても少しずつ上手になってくる年齢です。
「遊び」の面でも、子ども同士で仲間を作ったり、ルールを決めたりすることができるようになっています。
学童保育スタッフとしては、まずはその状況を見守り、どんな場面に自分が必要かを考えながら動くことが大切です。

また、この年齢になってくると、学童保育スタッフに対して反抗的な態度をとったり、怒られるようなことを隠れてこっそり…という状況も出てきます。
このような場面ではしっかり注意しなければなりませんが、頭ごなしに叱ったり、お決まりのフレーズで場をおさめたりするのではなく、子ども一人ひとりときちんと向き合うことが大切です。
子どもは、自分のことをきちんと見てくれている大人、自分の言い分を聞いてくれる大人の言う事はちゃんと聞こうとします。
1対1の信頼関係ができると「怒られたくない」というよりも「裏切ってはいけない」という心理になり、ルールを守ってくれるのです。学童保育スタッフは、子どもたちにとって“先生”でも“家族”でもない大人。
放課後、自分を待ってくれている貴重な存在です。
学童保育が居心地の良い場所であれば、クラスや家では見られない表情やおしゃべりを引き出せるかもしれません。
それもこの仕事の醍醐味ですね。

知っておきたい 「学童」をめぐる最近の動き

2015年度より実施されている「子ども・子育て支援新制度」の中で、これまであいまいだった学童保育の施設や環境の規定が定められました。さらに子どもたちを見守る学童スタッフの新しい資格も創設。よりよい環境、責任の中で放課後の子どもたちの安全を守ろうという動きが広がろうとしています。

新しく規定された学童の設置基準

●施設・設備について、児童1人につき約1.65㎡以上の面積を確保する。「遊び・生活」と「静養」のスペースを分けて設置する。

●学童保育1室受け入れる児童数は概ね40人以下。それに対して「放課後児童支援員」(※)を2人以上配置する。

●平日は3時間以上。土、日、長期休業期間等は8時間以上児童を受け入れる。1年につき250日以上開所する。

※「放課後児童支援員」について

新しくできた専門資格です。
以下の資格・経歴がある人が、各都道府県が行う研修を受けることで得られます。
●保育士資格
●社会福祉士資格
●高卒(同等の教育課程修了を含む)で、2年以上、児童福祉事業に従事した経験
●幼稚園、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校(中高一貫校)の教員資格
●大学(外国の大学も含む)・大学院で社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学、体育学を専修する学科・研究科、これらに相当する課程を修めて卒業
●高卒(同等の教育課程修了を含む)で、2年以上、放課後児童健全育成事業(学童保育など)に従事した経験(市町村長が適当と認めたもの)

※研修の時間数は講義・演習を合わせて24時間程度。
1回の研修期間は2~3か月以内(都道府県の実情に応じて2期に分けて実施するなど、6か月の範囲内での実施する場合も)。すでに取得している資格(保育士、社会福祉士、教員など)によって、免除となる科目もあります。
※経過措置として2020年3月31日までの間は、この研修を修了することを予定している人も「放課後児童支援員」とみなされます。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000057166.pdf(参照:厚生労働省)

今後の「学童保育」

政府は、2019年度までに受け入れる学童児童数を30万人分増やしたいという意向を示しています。
今後「学童保育」という場所は、新しくできた規定のもと数を増やし、その立場を確立していくことが予想されます。教員免許や保育士の資格を保有している人はもちろん、「子どもと接する仕事がしたい」と勉強してきた人には、新しい職業の選択肢となり得るのではないでしょうか。また、先にも上げたように、「学童保育」での働き方は企業によって多様です。
「資格がない」、「限られた時間しか働けない」という人も、意外と身近に自分に合った働き方ができる場所があるかもしれません。