【高校受験生必見】高校選びの前に知っておきたい基本情報

中学校卒業後に進学できる高校の種類と高校以外の学校


中学校を卒業すると多くの人が進学する「高校」。偏差値、校風、クラブ活動、通いやすさなど、進学先を決める際に重視するポイントは様々ですが、ここではその学校選びの前に知っておきたい基本情報として高校の種類や意外と知られていない高校以外の学校について、その特徴や制度をまとめていきます。様々な選択肢を知ったうえで、自分に合った進学先を見つけましょう。

高校の種類

全日制高校

●一般的に「高校」と言えば、多くの人がこの「全日制高校」をイメージするのではないでしょうか。日中に、1日5~8時間の授業を行う学校です。中学校を卒業後、大多数の生徒がこの全日制高校を進学先として選んでいます。
●修業年限(卒業までに必要な年限)は3年間。
●多くの学校が学年制を採用していますが単位制を導入する学校も増えてきています(単位制の高校は全体の約11%【※】。「総合学科」を設けている学校に多い)。
(★1、★2 下記参照)

定時制高校

●1日4時間程度の授業を行う学校です。以前は夜間に授業を行う学校がほとんどでしたが、現在は「昼間」「夜間」の2区分、または「午前」「午後(昼~夕方)」「夜間」の3区分の中から自分にあった時間帯を選べる学校も増えてきています(「昼夜間定時制」「2部制」「3部制」などとよばれます)。
●修業年限は3~4年間。一般的に1日4時間程度の授業を受けた場合は卒業までに4年間必要と見込まれていますが、「昼夜間定時制」等の定時制高校の場合、他の時間区分の授業を併せて受けたり(他部履修)、通信制高校の単位を合算したりすることで、3年間で卒業できるケースもあります。
●もともとは学年制でしたが、1988年以降単位制の学校も増えてきています。

通信制高校

●通信による教育課程によって高校卒業資格を得ることができます。基本的には自宅で各課題に取り組んだり、レポートを作成したりと、自習がメインです。月に数回の登校日(スクーリング)に教師と面談し、分からない部分を教えてもらったりテストを受けたりしながら、学習を進めていきます。
●修業年限は3年以上。通信制高校では単位制を採用している学校が多く、そのため学年という概念が希薄です。最短3年間で卒業が可能ですが、中には仕事ややりたい事と両立しながら長期間で卒業に必要な単位を取得する人もいるようです。
●入学できるエリアの限られた狭域校とそれ以外の広域校があります。
●1人で学習を進めていくことに不安を感じる人は、塾や予備校が運営する「サポート校」に通い、学習のサポートを受けながら通信制高校の単位を取得していくという方法もあります(「サポート校」に通うだけでは高校卒業資格を得ることはできません)。

〈★1「学年制」と「単位制」の違いは?〉

高校には、「学年制」と「単位制」があります(「単位制」は1988年に「定時制高校」と「通信制高校」に導入され、1993年には、「全日制高校」も導入されました)。
「学年制」
1学年ごとに取得すべき単位がセットになっています。これをセットで取得できない場合は留年し、その学年の教科すべてをやり直さなければなりません。
「単位制」
各科目に振り分けられた単位を計74単位取得すれば卒業できる仕組みです(卒業にはこれ以外に、①30時間以上の特別活動と②3年間以上の修学という条件があります)。留年はありませんが74単位を取得するまでは卒業できません。

〈★2 高校に設けられた学科は3種類〉

「普通科」
主に普通教科を学びます。
「専門学科」
普通教科と1つの分野の専門教科を学びます。専門教科には「商業科」「工業科」「農業科」「家庭科」「福祉科」「「看護科」「水産科」「情報科」などがあります。
「総合学科」
普通教科と専門教科の中から自ら選択して幅広く学びます。1994年に導入されました。

中学校卒業後に進学できる「高校」以外の学校

高等専門学校

●“高専(コウセン)”という呼び名で知られる学校です。学校教育法上、大学や短期大学と同じカテゴリーの「高等教育機関」に属します(「高校」は後期中等教育機関)。
●現在、全国に57校(国立51校/公立3校/私立3校)があり、高度で実践的な専門技術と知識を身に付けることができます。専攻分野は大きく分けて工業系(機械、電気、建築など)・商船系の2種。偏差値の高い学校が多く、求人倍率や就職率も非常に高いとあって人気です。
●ほとんどの学校に学生寮が整備されています。
●修業年限は、工業・技術系は5年/商船分野は5年6カ月
●卒業後さらに勉強したい場合は、「専攻科」(2年制)に進む、または大学に編入するという選択肢があります。

高等専修学校

●「高等専修学校」は、「専修学校」に分類される学校で、中学卒業者を対象とした専門学校です。(★3 下記参照)
●全国に約440校あり、学べる専門分野は8分野(「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育」「社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」)です。
●修業年限は1~5年と専攻する分野によって違います。
●「技能連携制度」を導入した高等専修学校であれば、専門分野を学びながら高校卒業認定資格を得ることができます(★4 下記参照)。
●卒業後、身に付けた専門知識・技術を生かして就職する人、さらに進学するという人に分かれます。(高等専修学校卒業生の54%が就職、46%が進学【※】)
●修業年限が3年以上の高等専修学校であれば、卒業後「専門学校(専修学校専門課程)」に進む選択肢もあります。
●その高等専修学校が「大学入学資格付与校」であれば、卒業後大学・短期大学に進む選択肢もあります。

〈★3 専門学校の種類〉

「専修学校」には入学対象者によって以下の3種類があります。「専門学校」という言葉をよく耳にすると思いますが、それは①のこと。このコラムで取り上げているのは、②です。

①専門学校(専修学校専門課程)…高校卒業者対象
②高等専修学校(専修学校高等課程)…中学校卒業者対象
③専修学校…学歴・年齢不問

〈★4 技能連携制度とは?〉

高等専修学校のなかには「技能連携制度」を導入した学校もあります。この場合、高等専修学校に通いながら、「定時制高校」か「通信制高校」のどちらかに在籍し学ぶことで、専門知識・技術と「高校卒業認定」の両方を得ることができます。両立は大変そうに感じますが、この「技能連携制度」では、高等専修学校の学びと高校の単位を合算することができるので、無理なく両方の学習を進めていくことができます。
【※文部科学省「平成25年度学校基本調査」】

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