身の回りのモノが活躍?日本語教師のお役立ちグッズ!

こんにちは、都内の大学で日本語教師をしているオリスです。
「初めての授業、教室に必要なものはなんだろう?」「どうも毎回の授業が単調でつまらない・・・」「レアリアを使ったおもしろいアクティビティを知りたい」といった悩みを抱えている方はいらっしゃるでしょうか。 今回は、そんな悩みを解決すべく、授業にあると便利なものや、レアリア(実物)を使ったアクティビティ案をご紹介します。日本語の教室だけでなく、他の語学のクラスでも応用できるものもありますから、ぜひ参考にしてみてくださいね。

a.授業のマストアイテム!

まずは、教室にもっていくと便利なアイテムをいくつかご紹介しましょう。

五十音表・地図など

初級の授業であれば、五十音表があると便利ですね。特に学習者のなかで仮名が定着するまでは、ちょっとしたときに学習者自身がその表で随時仮名を確認することができます。英語の場合はアルファベット表ですね。
そのほか、世界地図なども役に立ちます。特に語学の授業では学習者の出身国など世界中の国が話題になることが多いので、その都度世界地図で場所の確認を行えば、学習者にとってもその話題が身近に感じられるようになるかもしれませんね。「○○から来ました」「○○はここです」といった初級文型の学習の際にはもちろん、中級や上級になってニュースや新聞記事に触れるようになったときにも、サッと国の位置などの確認を行えば、学習者も理解しやすくなるでしょう。また、日本語の授業の場合は日本地図などもあると便利ですね。
授業で使う際には、サイズに注意しましょう。小さすぎては学習者から見えませんし、大きすぎると黒板に貼るのが大変だったりするなど、扱いにくいことがあります。担当するクラスの人数や教室の大きさにあわせて適当なものを選択してくださいね。それから、クイズやテストをクラスで行う際には答えやヒントにつながるものは外すなど、注意するようにしましょう。

掲示物を貼るもの

上記の五十音表や地図などを黒板やホワイトボードに貼るときには、マグネットが必要ですね。大きな表は小さいマグネットだと貼るのが大変なので、磁力の強い大きめのものを用意しましょう。
また、マグネットのつかない壁などに掲示物を貼りたいときは、「ひっつき虫」のようなソフト粘着剤も便利です。テープ類や画鋲類と違って掲示物や壁を傷つけることもありませんし、何度でも使うことができるので、経済的にもおトクですよ。

フラッシュカード

フラッシュカードとは、単語が書いてあるカードのことを指します。そのカードを学習者に次々と見せて、ことばの確認をしたり、過去形を作らせたり、否定形を作らせたりするためのものです。このカードも、クラスの人数や教室のサイズによって大きさを調整しましょう。もし授業でパソコンが使えるなら、パワーポイントで作ったりすることもできますね。
フラッシュカードはテンポよく使うのが大事です。長い時間をかけて一つひとつの単語の変形を確認する、というよりは、テンポよくどんどんカードをめくって学習者の口を慣れさせるために使います。最初は難しいかもしれませんが、学習者が言い終わるくらいのタイミングでカードをめくると、テンポよく進めることができると思います。

b.レアリアを使おう!

次に、授業にあると盛り上がるような「レアリア」を見ていきましょう。
「レアリア」とは「実物」のような意味で、教育のために作られた教材・教具ではなく、私たちの日常生活にあるものを教材・教具として利用する場合のモノのことを指します。以下に、レアリアを使ったアクティビティをいくつかご紹介します。

レストランのメニュー

初級レベルで注文の仕方を学ぶ時など、本物のメニュー表を活動に取り入れてみましょう。教科書には「かつどん」「てんぷら」などのメニューが値段とともに表示されていて、それを見て「てんぷらをひとつください」などと学習すると思いますが、実際のレストランのメニューには、教科書に載っていない様々な情報が載っています。たとえば税込表示や、選べるドレッシング、セットのドリンクバー、アレルギー情報などです。教科書での学習を終えた後、応用として本物のメニュー表で注文の仕方を確認しながら、実際に日本のレストランで注文するようなロールプレイを行うと、活動に臨場感が出て、学習者も楽しんで学習できると思います。
中級レベル以降でも、たとえばひとつのメニュー表の中から自分の国で売り出したら売れそうなメニューは何かをディスカッションさせたり、メニューを複数用意して、比較させたうえでどちらのレストランが人気が出るか意見文を書かせたりなど、様々な使い方ができます。
インターネットでメニューを載せているレストランも多くありますので、学習者の習熟度によって、英訳付きのメニューを探したり、カタカナばかりのメニューや漢字が多用されているメニューを探したりと、いろいろ工夫してみてくださいね。

おもしろグッズ

「おもしろグッズ」というのは特に決まった名称ではないですが、たとえば「お寿司に見えるUSBメモリ」や「口紅に見えるボールペン」「チョコレートに見えるデジタルカメラ」などの、一見するとなんだかわからないようなモノをクラスに持っていくと、学習者は興味津津で見てくれます。初級レベルだと、「これはなんですか」「これはなんだと思いますか」「○○のような△△」といった文型の導入の時に役に立ちます。学習者を少人数のグループに分け、おもしろグッズを一つずつ配布し、自由に触らせてそれがなにかを理解させた後、他のグループの人たちに対して使い方を説明させたりしてもおもしろいですね。これらは、実際にモノがなければ写真でもかまいません。おもしろグッズをいくつか印刷した紙を配布し、少人数のグループで何かを考えさせ、全体で答え合わせをして一番たくさん正解したチームが優勝、としたりすると、盛り上がると思います。
また、「特大サイズの鉛筆」「様々なサイズのお寿司のおもちゃ」など、一般的なものとはサイズの違うものや同じ種類のモノのサイズ違いをいくつか使ったりすると、比較の勉強の時に役立ちます。もちろん「スカイツリーは東京タワーより高いです」と写真を見せたりするのも効果的ですが、ちょっとクスっとくるようなグッズを持っていくと、授業が少し楽しくなるかもしれませんね。

芸能人やアニメのキャラクター

学習者が日本のポップカルチャーに興味があり、芸能人やアニメのキャラクターを良く知っているなら、その情報を使うのも授業を楽しくするひとつの手です。たとえば、アイドルグループの写真を見せて「○○さんは△△さんより背が高いです」と比較の表現の学習の時に使ったり、アニメキャラクターの絵を見せて「××の誕生日は○月○日です」と日付の数え方の学習の時に使ったりすることができます。
なるべくたくさんの学習者が知っている芸能人やアニメキャラクターのほうがいいですので、普段の学習者とのやりとりや持ち物、あるいは休み時間中のおしゃべりなどから、どんなものに興味を持っているかを観察してみましょう。現在だと、アイドルグループなら「嵐」や「AKB48」、アニメキャラクターだと「ONE PIECE」や「ポケモン」が人気のようですね。特に「ONE PIECE」のキャラクターは、誕生日が「5月5日」「7日3日」など日付が読み方の特殊な一ケタ台のキャラクターが多いので、初級前半の日付の数え方の学習にピッタリですよ。
こういった情報を使う際には、その芸能人やキャラクターを知っている人と知らない人の差が生まれないよう、知らない人も楽しんで活動に参加できるよう気を配る必要があります。しかし、教科書に載っている架空の人物の情報を使って学習するより、学習者も知っている人やキャラクターの情報を使う方が、学習者の興味を引くことができ、記憶にも残りやすくなるのではないかと思います。

c.目的をはっきり意識して・・・

ここまで、授業にあると便利なアイテムや、少しスパイスを効かせることのできるアイテムをいくつかご紹介しましたが、いかがでしたか。最後に、こういったアイテムは目的をはっきり意識して使う必要があります。そうしないと、ただ単に楽しかった、なんとなく面白かった、だけで終わってしまい、学習者の学習につながりません。アイテムを使う際には、これを使って学習者になにを学んでほしいのか、どのような点を意識してほしいのか、といったこと考えながら使うようにしましょう。
もちろん、ここで紹介したアイテムは授業に必ず必要、というわけではありませんし、これ以外にもたくさん役に立つアイテムが存在しています。少しの工夫で楽しい授業はいくらでも作れますので、みなさんもいろいろ工夫してみてくださいね。

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