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小学1年生から「プログラミング教育」がスタート 子どもたちはどんなことを勉強するの?

2020年度から小学校で「プログラミング教育」が必修化されることになりました。
2016年8月1日に発表された中教審の次期学習指導要領まとめ案によると、小学校での教育については「プログラミング的思考を各教科の授業で育む」とありますが、具体的に子どもたちは何をどのように学ぶことになるのでしょうか。
ここでは、そもそも「プログラミング」って何?というところから、日本の小学校ではどのような教育が行われるか、また、プログラミング教育に有効なアイテム等についてまとめていきます。

「プログラミング」とは?

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プログラミングとは、コンピュータにやってほしい動作を、コンピュータが読み取れる言語(C言語、JavaScript、Rubyなどのプログラミング言語)で構築していく作業(コーディング)のことを言います。いわば、コンピュータへの指示書を作成するようなもの。
例えば、コンピュータに①「A」という動作を行ってほしい場合、②(人間がコンピュータに)ある動作を行うと、③その反応としてコンピュータが「A」を実行するという仕組み。
エアコンのリモコンを例にとると、①エアコンを入れたい場合、②リモコンのスイッチを押すと、③その反応としてエアコンが稼働するという、この一連をコンピュータが読み取れる指示書におこしていくということです。私たちの身の回りには、家電や自動車、パソコンなどたくさんのプログラミングされた製品があり、その性能はどんどん向上しています。
さらに、AI(人工知能)やロボット開発など人間が介在しなくてもコンピュータ自体が様々な状況判断をし、それに応じた動作・処理を行うなど、これまでにはない技術革新が進んでいます。この分野の研究、開発のことを「第4次産業」と言いますが、現在日本だけでなく世界中がこの分野の進歩に注目。
「プログラミング」に精通した人材が必要とされているのです。

小学校でのプログラミング教育 そのポイントは

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この「プログラミング」について教育面に着目すると、イギリスやエストニア、フィンランドなどではすでに、子どもに対して早い時期からのプログラミング・コンピュータ教育を実施。また、IT先進国と言われるアメリカやイスラエルでは、プログラミングに精通する団体や教育機関が下支えとなり本格的な実践教育を拡充しています。また、おとなり、韓国でも2017年~小学校の正規教育としてソフトウェアの授業を導入することが決定。そしていよいよ日本でも、ということですが、気になるのは子どもたちがどのような学び方をするのかということ。親世代にとってはなじみのない新しい分野の学習、特に低学年の子どもたちは理解できるのかという心配もありますが…。
まずは、小学校のプログラミング教育について、文科省が発表した方針をみていきましょう。その内容を大枠でまとめると、以下3方向からのアプローチとなるようです。

(1)総合的な学習の時間に、自分の生活とプログラミングの関係を考えさせる

身近にあるプログラミングされた製品に注目したり、「コンピュータサイエンスアンプラグド」(コンピュータを使わずに、プログラミングの発想法や思考力を養う学び)を活用したりして、プログラミングの素地を育成する。
(環境の整った学校であれば、この総合的な学習の時間に、実際にプログラミングを体験する場合も)

(2)既存の教科の中で「プログラミング」を意識させる

「理科」で電気製品にどのようなプログラミングがされているのかを考察したり、「算数」で筆算を重点的に学んだり、と各教科の中でプログラミングの基礎的な力を養う。

(3)プログラミング的思考を養う

プログラミングをする際に必要な思考力・解決力(以下、3工程)を普段の学習や学校生活にも生かす。

①コンピュータをどのように動かしたいかを明確にする
②そのために必要なプログラム内容や手順を整理し、実際に構築していく
③その動きを確認、不具合があれば修正する

課題と対策 パソコン1人1台は厳しい!?

この教育目標を受けて、様々な課題も予想されています(小学校・中学校・高校共通の課題)。

①教員の指導力
②授業時間の調整
③1人1台のパソコン(タブレット)の確保

(1)、(2)については、民間のプログラミング教室から講師を招いたり、クラブ活動や土曜授業の時間をあてたり、というところで対策が検討されているようですが、(3)に関しては、各自治体の財源によって大きな差がでるところ。理想的なプログラミング教育環境が整うにはまだまだ時間がかかりそうです。

このようなことから総合的に判断すると、小学校でのプログラミング教育は、実践力を鍛えるというよりも、まずはプログラミング自体についての基本知識、理解を身に付けていくことに重点に置かれることになりそうです(文科省有識者会議の方針には「コーディングを覚えることが目的ではないことを共有していくことが不可欠」とあるくらいです)。学校教育において、難解なプログラミング言語、コーディングについて勉強するのは、ひとまず中学校以降と捉えておいてよいでしょう。

子どもにも分かりやすい「ビジュアルプログラミング言語」とは

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ということで、「プログラミング教育」については小学校でいきなり難解な課題に取り組むというような状況はなさそうですが、実践力(実際にプログラミングができる力)をつけたい場合は、学校の教育にプラスアルファの学習が必要かもしれません。
その一案として、近年プログラミング初心者向けに開発されている「ビジュアルプログラミング言語」というものを取り上げます。これは、難解なプログラミング言語を用いず感覚的にプログラミングが体験できるというもの。
例えば、ブラウザ上のキャラクターに動きを与えたい場合、どのような動きを与えるのかアイコンを選択したり、ドラッグ&ドロップで作業したりすることでプログラミングが完了。
分かりやすく、遊び感覚でできるので、“導入アイテム”としては有効かもしれません。この「ビジュアルプログラミング言語」には、「スクラッチ」「ビスケット」「プログラミン(日本の文科省が開発)」など様々な種類があり、自宅のパソコンで体験も可能。海外の教育現場で広く普及しており、日本でも急増している子ども向けプログラミング教室で使われ始めています。
また、このようなプログラミング教室や大学が、週末や夏休み等に子供向けのイベントを開催することも増えてきました。プログラミングでできる様々なことを楽しくダイナミックに体験できるとあって人気です。
今後、ますます身近になるであろう「プログラミング」。子どもたちには学校教育での基礎力習得はもちろん、様々な機会やアイテムを上手に利用して実践力を鍛えていってほしいですね。