【センター試験が廃止に?】2020年度からの大学入試

2014年12月、文部科学省(中央教育審議会)からに出された「高校教育・大学教育・大学入学者選抜の一体改革」の答申をうけて、現在学校教育の見直しとともに大学の入試改革が進められています。
この中で最も注目を集めるのが1990年から続いてきたセンター試験(大学入学者選抜大学入試センター試験)を2020年度に廃止してそれに代わる二つの新しいテストを導入するということ。
詳細は今まさに議論・検討されているところで、確かな形が決定されるのはまだ先のことになりそうですが、ここでは2016年3月、文部科学省の専門家会議でまとめられた最終報告を元にその大枠を確認し今後予想されることをまとめていきます。

センター試験が廃止になる?

まず現行の大学入試の仕組みについてセンター試験を中心に確認していきましょう。
センター試験は毎年1月中旬の土・日曜日の2日間に全国で一斉に行われるテスト。国公立大学への進学を希望する人は必ず受験しなければいけません。また私立大学でもその大半がこのセンター試験の結果を利用した選抜方式を取り入れています。

テストはすべての教科でマークシート形式を採用。
測られる力は高校で身に着けた基礎的な学力(知識と技能)で平均点が全体の6割程度になるように作問されています。
そして、センター試験の翌日に発表される解答、配点を元に各々自己採点をしてその結果を踏まえた上で志望校を決定し出願。大学個別選抜にあたる二次試験に進みます。
二次試験では記述式の筆記試験を行う大学がほとんどで、そのチャンスは前期・後期の2回(※一部、中期試験を設ける公立大学もある)。

センター試験と二次試験を合わせた結果(※配点比率は大学によって異なる)で合否判定がなされます。

センター試験に代わる新しい入試制度

これが新しい入試制度ではどうなるのでしょうか。

記述式の解答の導入

まずセンター試験に代わる2つのテスト「高等学校基礎学力テスト(仮)」、「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」が導入されます。
前者が高校で学んだ基礎的な知識・技能を測るのに対し、後者では「思考力」「判断力」「表現力」という3つの力が問われます。
つまり身に付けた知識・技能を使ってどのように考え、どのような答えを出すのか、そしてそれをどのように伝えるのかという応用力。マークシートに加え記述式での解答が導入される方針です(当面は国語と数学で導入されることが決定。特に国語では重視される)。
このテストで結果を出すには暗記だけでは限界があります。
どの教科も普段の授業から主体的に学ぶ力を鍛えておかねばなりません。

二次試験は受験者を総合的に判断

そして、上記2つのテストの後に行われる大学個別の選抜試験について、この試験についても具体的なことはまだはっきりと決まっていませんが、現行の大学個別選抜(2次試験)が記述式の筆記試験であるのに対し新しい試験ではもっと受験者個人、その全体を大学独自のアドミッション・ポリシー(大学、学部の特色、教育理念、求める学生像)に照らし合わせながら測られるのではないかと考えられています。

ポイントは「主体性」「多様性」「協働性」という3つの力。選抜方法は「小論文」、「面接」、「集団討論」、「プレゼンテーション」のほか、「(高校から提出される)調査書・活動報告書」、「資格・検定試験の結果」「大会などでの記録」などが活用される方針です。

これらは現在、推薦入試やAO入試で重視される項目ですが、新しい試験では学力と受験者個人の全体的な力や学習にのぞむ姿勢などが総合的に判断される見通しです。

新しい入試制度の課題と検討項目

新しい入試制度については、非常に大きな改革となるために現在検討段階のものや導入したいけれど課題が多いものなどがたくさんあります。具体的にどのようなものがあるのか挙げてみます。

AO入試・推薦入試の撤廃

現在は、一般入試以外にもAO入試・推薦入試(指定校・自己)で大学に進学する方法がありますが、新しい制度ではこの区分自体を撤廃して新しいルールを構築することが検討されています。先にも挙げましたがAO入試・推薦入試で問われる力は大学個別の選抜において総合的に測られる(大学個別の選抜テストに組み込まれる)こととなり、いわゆる「学力不問」型の入試枠をなくす方向で調整されています。

「総合型」「合教科・科目型」テスト

現在は、「国語」、「数学」、「英語」というように教科ごとにテストが行われていますが、あらゆる教科の知識・技能を用いて課題解決をする「総合型」のテストや教科の区分を取り払ったテスト、例えば「数学」の問題を「英語」で出題したり、「地理」の問題を解くために「数学」的な技能を使わせたり、という「合教科・科目型」のテストの導入が検討されています。

英語の試験

現在の試験で重視されている「リスニング(listening)」、「リーディング(reading)」の力だけでなく「ライティング(writing)」、「スピーキング(speaking)」の力も合わせた4技能を総合的に評価する方針です。
また、民間の資格や検定試験の結果も入試に活用することが検討されています。

テストの形式

現在の一般入試は筆記試験(マークシート・記述式)で行われていますが、CBT(Computer Based Testing)というコンピュータの端末を使って解答する方法も検討されています。これが決定となれば、受験者は前もってパソコンの操作、文字入力に慣れておく必要があります。

課題

当初「大学入学希望者学力評価テスト」は、年間に複数回実施、対象を高校2~3年生にする方針でしたが、各高校のスケジュールや実施会場の問題で当面は見送られることとなりました。

また採点・配点方法についても、マークシート形式ではその公平さが保たれていましたが新しいテストでは記述式・論述式が導入されるために解答の方法が多様化し、採点・配点が効率的に行えないことや採点する人によって判断基準が異なるのではないかという問題が指摘されています。
人工知能(AI)の導入も検討されているようですが技術的な問題で当面は難しそうです。

さらに「総合型」「合教科・科目型」テストでは、採点はもとよりテストを作成できる人が少ない、高校でこのテスト対策に対応できる教師が少ないといった点も懸念されています。

このような現状も含めてこの大学入試改革を捉えると、長い時間をかけて段階的に少しずつ導入されていくのが実際のところかもしれません。
なにより、まだ決定していない点もが多い改革ですから、確かな情報を随時確認しながら自分が受験する入試の特性をしっかり把握した上で備えることが肝心です。
次回は2017年夏頃(までに)、文部科学省から「新テストの実施方針」として導入までのスケジュールや実施方法、時期などが発表される予定です。

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